法政大学に受かりたい場合、受験を突破できる最低限の基礎学力とライバルに打ち勝つ応用力・実践力が求められます。
入試の傾向を知り、法政大学に合った受験勉強をすることも欠かせません。
今回は、法政大学に合格するために必要な情報をお届けします。
入試の傾向を科目ごとに解説しながら、時期ごとのやるべきことややっていけない勉強法も紹介するので、参考にしてみましょう。
法政大学が求める人物と入試傾向・特徴
ここからは、法政大学全体に共通する入試傾向を解説します。
およその難易度やレベルを知りたいときに、ご参考ください。
出題の難易度は「標準~やや難しいレベル」
法政大学の出題難易度は、標準からやや難しいレベルです。
教科書のレベルを大幅に超えた難問・奇問は出ませんが、資料集の片隅に掲載されている情報や時系列なども含む総合問題が扱われるので注意しましょう。
また、法政大学独自のデータ・資料(史料)・写真・図版などが用いられることもあり、一般的な知識を使う問題でも一見難しく見えることも特徴です。
初見力を高めて、どんな問題でも慌てず知識をフル動員する癖をつけておく必要があります。
各教科の傾向
各教科の傾向は、およそ以下の通りです。
学部・学科により出題傾向が変わるケースも多いですが、参考にしてみましょう。
英語
年によって読解問題のテーマは異なりますが、社会・文化・国際などのテーマを扱う傾向が強いです。
反面、テクノロジーや生命科学に関する出題は少なく、専門用語の暗記は少なくて済むでしょう。
一方、基本的な英単語は幅広く網羅し、ひとつの和訳に限定しない柔軟かつフレキシブルな読解の基礎となることが求められます。
単語やイディオムを知らないとそもそも解けない問題が多いため、テーマ別の対策をするより基礎力を重視する対策の方がよさそうです。
試験開始と同時にまずは全体的に軽く目を通し、時間配分を大まかに決めておくことが肝心です。
基本的には80分のうち60分程度を大問2以降に使うイメージを固め、逆算しながら解いていきましょう。
現代文
法政大学の現代文は、問題文の量が多い傾向にあります。
目を通しているだけであっという間に時間が経過してしまいますので、ある程度テクニックに頼った読解が必要になるシーンが出てくるでしょう。
長文問題に取り組むときは、常にストップウォッチを携帯しながら時間を意識していくことが重要です。
一朝一夕には身につかない能力ですので、長期的なトレーニングが欠かせません。
また、社会論・芸術論・コミュニケーション論・政治論・経済論など内容は多岐に渡りますが、堅めの文体で記されていることが多いため、慣れておきましょう。
新聞の経済面・国際面などを活用し、文に触れる機会を多くするのがポイントです。
古文
法政大学の古文は、他大学と比較しても標準的なレベルです。
まずは基本的な古文単語をマスターし、読める文章の幅を増やしておきましょう。
特に、文脈により意味が異なる古文単語が頻出である傾向が強いため、注意が必要です。
丸暗記だけに頼らず、文中での使い方も意識しながら覚えましょう。
助詞・接続詞など現代文の論説文を読む際に必要な文法は、古典でも同様に抑えておく必要があります。
文章内の位置関係だけでは憶測できないような古典文法も多いため、「現代語訳ならこうなるはず」という先入観を持たずに取り組むのがポイントです。
漢文
漢文で必要な基本的な単語・文法の暗記が必要です。
法政大学の漢文はそう高い難易度ではありませんが、基礎基本が抜けていると正答できない問題ばかりです。
まずは基本に忠実に、時間を割けば確実に点数が取れる勉強をしていきましょう。
また、ある程度基本的な知識が身についたら、返り点対策に踏み込むのがよいでしょう。
参考書や問題集で返り点が出題されていない文章であったとしても、返り点を消して1から自分で作成できるレベルにまで持っていくのがベストです。
日本史
法政大学の日本史は、僅かな違いを指摘するようなややこしい正誤問題が多いです。
日本史の勉強をする際はどうしても新出単語の暗記ばかりに気を取られてしまいますが、年号・人物・地域に至るまで、関わる全てを暗記する必要があるでしょう。
単語をバラバラに覚えるのではなく、前後関係や因果関係を理解しながら知識として定着させることが欠かせません。
また、どの学部でも、必ずと言っていい程史料問題が出されています。
学部によっては資料集に掲載されていない史料を活用することもありますので、初見レベルを高めておく必要があるでしょう。
見たことのない史料のどの部分に着目するか、いくつかパターンを見て慣れておくのがよいでしょう。
世界史
法政大学の世界史は、記述形式偏重のため他大学より難しい傾向にあります。
問題文だけでなく地図やグラフなどのデータを読み取る力が求められ、その上で速やかに自分の解答を文章化するスキルが求められます。
また、どんなに記述力が高くても基本的な知識がないと解けない出題が多いため、基礎と記述の両方をバランスよく整えていく必要がありそうです。
法学部や経済学部では、200文字以上の記述を求める出題が行われます。
内容は、事象が起きた理由や、ひとつの事象がどんな分野にどんな影響を与えたなど関連性を問うような問題が多いです。
単語の暗記だけでなく、時代ごとの移り変わりや相互作用も学んでおくことが大切です。
数学
法政大学の数学に目立つ難問・奇問が出るケースはほとんどありません。
そのため、国公立や早慶にも対応できるような高いレベルの対策をするよりは、基礎・基本寄りの対策に時間を割き、何度も同じ難易度程度の問題を反復するのがよいでしょう。
ただし、微積分に限っては他よりも難易度が高めに設定されている割合が高いため、微積分単元のみハイレベルな対策をしておくことをおすすめします。
そう難しい問題は出題されないため、まずは「点を落とさない対策」を重視しましょう。
化学
理論化学からの出題割合が多いという特徴があります。
学部ごとの一般入試の方が全体的な知識が問われる傾向にあるものの、他大学と比較するとやはり理論化学が多めだと言えるでしょう。
そのため、頻出単元である理論分野を優先して学習し、点差を広げるのがポイントです。
「どこから手をつければいいか分からない」「点数に直結する学びがしたい」と考える人どちらとも相性がよく、焦って難易度の高い問題ばかりに取り組んで時間をロスすることもありません。
化学は一見すると単元ごとに独立した知識を活用するように思われがちですが、実は単元を横断した問いを出題しやすい科目であり、複合的な知識が問われます。
間違えた問題が1つあったら関連する単元でもミスが発覚すると考え、遡りを重視するのがよいでしょう。
物理
物理のなかでも特定の単元からの出題に偏っているのが法政大学物理の特徴です。
特に力学・電磁気・波動からの出題が多いため、ここでニガテを作らないよう徹底的に対策しておきましょう。
他の単元に関する難易度は比較的平易ですが、上記で挙げた3単元に関しては難易度の高い問題も出題されます。
MARCHや早慶クラスの物理の過去問をピックアップし、力学・電磁気・波動のみ探して解くのもよいでしょう。
また、数式を用いた算出や用語の暗記だけでなく、実験データを用いた問題にも慣れておきましょう。
生物
法政大学の生物は年度によって扱う単元が異なりますが、そのなかでも遺伝情報と生物代謝からの出題が多い傾向にあります。
DNA・環境に対するヒトの反応・体内環境の維持に必要な要素・交配実験などの分野は確実に抑えておきましょう。
また、自然選択や集団遺伝に関する基礎知識も備え、計算問題以外の遺伝分野に対策しておくことも効果的です。
いわゆる「捨て単元」がないため苦戦することが予測されますが、難易度そのものは高くないため基礎基本を重視した学びが重要です。
法政大学に行きたい人が絶対にやるべきこととは
まずは、法政大学に合格したい人が絶対にやるべきことを紹介します。
学年を問わずすぐにでも始められることなので、参考にしてみましょう。
法政大学に精通しているプロとつながる
法政大学に精通しているプロとつながることができれば、出題傾向はもちろん、倍率・偏差値・学部ごとの特徴・最低合格ラインなどを全て知ることができます。
指導実績や合格実績が豊富な講師であれば、自分に最適な指導をしてくれるでしょう。
大学の情報は自分で調べることもできますが、受験市場に慣れていないと情報収集だけでも膨大な時間がかかります。
特に出題傾向などは複数年の過去問を解きながら緻密に分析していく必要があり、一朝一夕で完了させることはできません。
であれば、その時間を有意義に勉強へ充てるためにも、プロを頼るのがおすすめです。
法政大学の出題傾向を調べる
法政大学の出題傾向は、徹底して調べましょう。
例えば、英語がいくつの大問で構成されているのか、全て長文読解なのか小問集合があるのか、リスニングや長文のライティングなどが出題されるかなどの傾向は大学ごとに大きく異なります。
また、私立大学の場合試験時間も柔軟に決定できるので、ボリュームに対して設定時間が十分かなども検証していく必要があるでしょう。
リスニングがあれば当然リスニングの対策が必要ですし、単語数が多いのであれば速読力が、単語数は少ないものの設問数が多い場合は解法を身につけてスピードを重視することが求められます。
そのため、前項で紹介したようなプロも最大限頼りながら、早い段階で出題傾向を掴んでおくことが大切なのです。
なお、出題傾向を調べる段階では問題を解く力は問われません。
およそどのような問題が出るかをイメージするためのフェーズなので、学力が低い段階の今でも挑戦できます。
受験する科目や形態を決める
受験する科目や入試形態は、早い段階で決めておきましょう。
学習の方向性を大幅に左右する項目であり、今の自分の学力・出題傾向・過去の受験スケジュールや倍率などを参考にしながら決めるのがおすすめです。
高3になってから受験科目を変える場合、逆転合格はもちろん通常の合格も相当厳しくなることを覚悟する必要があります。
まずは自分が進学したい学部の情報を調べ、どのような入試形態を導入しているか探ります。
まだ進学したい学部などが決まっていないのであれば、得意科目の配転が高い学部や入試形態を調べてもらうことも可能です。
法政大学の受験対策としてよくない勉強法とは?
最後に、法政大学の受験対策としてよくない勉強法を紹介します。
下記に当てはまる勉強法をしている方は、特に注意しましょう。
GMARCHをすべて同じように対策する勉強法
関東の難関私立大学群を総称する「GMARCH」ですが、各大学ごとに出題傾向が異なります。
例えば青山学院大学と立教大学は特に英語のレベルが高く、長文問題のボリュームが多かったり問いも解答もともに英語だったりすることが見受けられます。
一方、法政大学の英語では長文のボリューム自体はそう多くないものの、基本的な語彙・文法問題が多くスピーディーな解答が求められることに注意しておく必要があります。
すべて同じように勉強しているだけでは対応しきれず、どの大学でも中途半端に点を取りこぼしかねません。
第一志望を早めに決め、まずはその大学の出題傾向を理解するところから始めましょう。
過去問を参考にしない勉強法
過去問からは、出題傾向のみならず出題者側の狙いや大学が求めている学力レベルなどさまざまな情報を読み取れます。
一般的な教科書・参考書を用いて勉強することももちろん大事ですが、過去問を参考にした勉強法も必ず取り入れておきましょう。
また、余裕があれば少し早めに過去問へチャレンジすることも重要です。
そのためには早期の段階で受験当日までのスケジュールを立て、全体を俯瞰して勉強していくことが重要なのです。
法政大学合格に向けた勉強法
最後に、法政大学合格に向けた勉強法を解説します。
季節ごとにやるべきことを網羅していくため、今後法政大学の受験を検討している方は参考にしてみましょう。
4月~6月
受験を意識して勉強し始める4~6月は、大量の学習時間に慣れる時期でもあります。
生活リズムを整え、毎日10~11時間程度の勉強に耐えられる集中力を養っていきましょう。
また、英単語や古文単語など「知らないと解けない」「暗記量が膨大」なものから優先的に着手し法政大学以外にも通用する基本的な知識を獲得していく必要があります。
7月~9月
徐々に模試を受け始める時期ですが、この時期の合格判定は気にしなくて問題ありません。
この時期に高い合格判定が出る場合、法政大学はもちろん他の難関私立大学や国公立大学も合格の範囲に入ってきます。
この時期は、自分の得意科目・得意分野に集中して勉強することが大切です。
得意な部分を伸ばして学習に自信が持てれば、学習量が増える夏を乗り切るモチベーションにもなるでしょう。
10月~12月
秋に差し掛かったころは、実践問題にチャレンジします。
知識のインプットではなくアウトプットに重きを置き、とにかく問題演習を繰り返していきましょう。
特に法政大学の過去問はもちろん、同レベルの他大学の過去問を解きながら実践力を上げていくことが欠かせません。
シンプルでわかりやすい問題を大量に解いて正答率と解答スピードをあげたり、応用問題に挑戦して出題パターンを知ったりすることがおすすめです。
一度でも間違えてしまった問題は必ず記録し、何度チャレンジしても100%解けるようになるまで反復することも大切です。
1月~受験
1月を過ぎていよいよ受験が近くなってからは、過去問演習に加えて苦手分野の強化をおこないます。
特に法政大学では、数学や物理のように広範囲の出題がされることが多いです。
また、日本史・世界史のように時代を横断した問題が扱われることもあり、独自の対策が必要です。
分野を偏ることなく法政大学用の学習ができていれば、逆転合格の可能性を上げられるのです。
まとめ
法政大学に受かりたい場合、学部ごとの偏差値や科目ごとの出題傾向を理解しておく必要があります。
癖のない出題が多いので、無駄なく的確な勉強スケジュールを組み立てれば他大学との併願もしやすいでしょう。
また、法政大学は小学校・中学校時代からきわめて優秀であってごく一部の人だけが合格する大学ではありません。
受験10ヶ月前から勉強をはじめて合格できる人もおり、的を絞った適切な学習計画と実行力があれば誰にでも手が届く大学なのです。
法政大学に特化した学習カリキュラムがあればより合格の可能性を上げられそうですね。